「NVMeとM.2の比較」という検索から当サイトに来られる方が一定数いるため、NVMeとM.2の違いで用語を混同しているケースが少なくないように感じています。
結論から言うと、M.2はSSDの形状(端子・サイズ)を指す言葉で、NVMeはSSDがデータをやり取りする方式(通信規格)を指す言葉です。そのため、この2つは同じ土俵で直接比較できるものではありません。
また、M.2 SSDにはSATAタイプとNVMeタイプがあり、同じ「M.2」でも中身(接続方式・性能の傾向)が異なります。
この記事ではまず、M.2/NVMe/SATAを整理して用語の関係を説明します。そのうえで、SATAとNVMeの速度差を数字のイメージが掴めるように解説していきます。
用語の整理:SATA・NVMe・M.2は何が違う?
M.2はSSDの形状(端子・サイズ)を指す言葉で、速さや方式そのものを表す言葉ではありません。
実際の性能や性格を分けるのは、SATAなのかNVMeなのかといった通信の方式のほうです。
それぞれの用語について詳しくみていきましょう。
SATA:ケーブル接続と規格名が誤解の元
一般に「SATA SSD」と言うと、2.5インチサイズでマザーボードのSATA端子ににつなぐタイプを指すことが多いです。2.5インチSSD=SATAというイメージで覚えている人も少なくないと思います。
ですが、SATAは本来ストレージを接続するための規格名です。つまり「SATA」という言葉は、会話の文脈によって見た目(ケーブルや端子の形)を指すこともあれば、接続のための規格を指すこともあります。
このズレを更に分かりにくくしているのが、M.2形状でもSATAで動作する「M.2 SATA SSD」の存在です。SATA端子やSATAケーブルを使わずにM.2スロットへ挿すのに、中身はSATAで接続されます。
SATAはSerial ATAの略で、ATA自体がストレージ接続の規格(インターフェース)の呼び名なので、SATAそのものは規格名だと捉えるのが自然で誤解しにくいと思います。
M.2:SSDの「形」(端子・サイズの規格)
M.2はSSDの速さや性能を直接決める言葉ではなく、SSDの形状を指す規格です。たとえば「M.2 2280」は、幅22mm・長さ80mmのM.2カードを意味します。
M.2がややこしく見えるのは、同じM.2形状でも中身が一種類ではないためです。M.2スロットには設計上、SATAで動くタイプとNVMeで動くタイプのSSDが存在します。
その結果、見た目は同じ「M.2 SSD」でも「M.2 SATA」と「M.2 NVMe」に分かれ、速度やその性質が変わります。
そのため、M.2という言葉を見たときは「形状の話」として捉え、実際の比較や選び方は「SATAかNVMeか」で判断する、と覚えておくと混乱しにくくなります。
NVMe:SSDの通信方式(主に高速なSSDで使われる)
NVMeは、SSDがデータをやり取りするときの通信方式(プロトコル)を指す言葉です。M.2のような形状を表す言葉とは違い、SSDがどうやってコマンドを受け取り、読み書きを処理するかという中のルールにあたります。
一般的にNVMe SSDは、SATAより高速になりやすい構成で使われることが多く、製品のスペック表でも「NVMe」や「PCIe Gen○ x4」などと併記されます。
ただし「NVMe=必ず速い」と単純化しすぎるのも注意が必要です。実際の速度は、SSD本体の性能(コントローラやNAND、キャッシュ設計)や、接続側の条件(対応世代やレーン数など)にも左右されます。
SATAとNVMeの実際の速度差はどれくらい?
連続読み書き(スペック表に出る速度)は、NVMeのほうがSATAより「だいたい4〜10倍」速くなりやすいです。
一方で、OS起動や普段の操作のような体感は「少し速い」程度に落ち着くことも多いです。差がハッキリ出るのは大きなデータを動かす場面で、普段使いは快適さの底上げくらいの理解がズレにくいです。
スペック表で見える差(連続読み書きの目安)
いわゆる「最大読込○○MB/s」は、連続アクセス(シーケンシャル)の速度です。ここはNVMeが強く、数字も分かりやすく差が出ます。
シーケンシャル速度の目安は以下です。
・SATA SSD:500MB/s前後
・NVMe(PCIe Gen3 x4):2,000〜3,500MB/s前後
・NVMe(PCIe Gen4 x4):5,000〜7,500MB/s前後
シンプルな速度差ではNVMeに軍配が上がっており、SATA SSDは終息傾向にあります。ただし、直近のSSD価格高騰により速度を落として良い場合は、比較検討しても良いでしょう。
まとめ:NVMeとM.2の比較で迷う人へ
NVMeとM.2は、同じ土俵で比較する言葉ではありません。M.2はSSDの形状を表す規格で、NVMeはSSDがデータをやり取りする方式を指します。
混乱しやすいのは、見た目が同じ「M.2 SSD」の中に、SATAで動くタイプ(M.2 SATA)と、PCIe+NVMeで動くタイプ(M.2 NVMe)が両方あるためです。
速度面では、SATAは実効で500MB/s前後が目安で、NVMeは世代にもよりますが2,000〜7,500MB/s前後まで伸びやすく、連続読み書きはNVMeが明確に有利です。
迷ったらM.2は形、中身はSATAかNVMeと分けて考え、最後に必要に応じて選ぶのが安全です。購入前に、マザーボードのM.2スロットがSATA対応かNVMe対応か、対応世代(Gen3/Gen4)を確認しておけば問題が起きることはないでしょう。
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