CPUクーラーを選ぶとき、多くのユーザーが「性能を求めると価格が高い」という悩みに直面します。
一方で、低価格モデルでは冷却力に不安が残ることもあり、ちょうど良い選択肢を選ぶのが難しいといった状態になっている人も多いでしょう。
そんな中で存在感を高めているのが Thermalrightです。Peerless Assassin 120 をはじめとした人気モデルは、手頃な価格帯でありながら高い冷却性能を発揮し、海外レビューでも高評価が相次いでいます。
実際「価格帯を考えると非常に強力」という評価が広がり、自作ユーザーの間で選択肢の一つとして定着しつつあります。
この記事では、Thermalright の背景や価格を抑えられる理由、国内で選ばれやすいモデルの特徴を整理しながら、どのようなユーザーに向いているメーカーなのかを丁寧に解説します。
Thermalrightとはどんなメーカー?
Thermalright は 2001 年に台湾で創業し、空冷クーラーに強みを持つ老舗メーカーとして知られています。創業初期から銅製ヒートシンクを積極的に採用し、2000年代には「Ultra-120 Extreme」を代表とする大型空冷クーラーで高い評価を獲得しました。
製造体制の見直しやパートナー企業との協力によって、現在の「手頃な価格で高性能」というスタイルにつながっています。規模としては大手ほど大きくないとされますが、ラインナップは幅広く、価格帯ごとに選択肢が揃っているのが特徴です。
日本では株式会社ディラックが正規代理店として取り扱っており、ツクモやドスパラ、Amazon などで購入可能です。
また、並行輸入品も多く流通しており、価格が安い代わりに保証が受けられない場合があります。初めて購入する方は、正規代理店経由での購入が安心です。
Thermalrightが低価格を実現できる理由
Thermalright の「安くて冷える」という評価には、いくつかの背景があります。
1. 製造体制の最適化
一部の製品は中国・深圳の製造パートナーと協力して生産されており、部材の共有や生産効率の向上が価格面に影響していると考えられます。
ヒートパイプやベースプレートといった性能に直結する部分にはしっかりコストをかけつつ、外観パーツは共通部材を採用するなど、メリハリのある設計が特徴です。
2. 過度なマーケティングを行わない
広告やキャンペーンに大きく依存せず、レビューサイトや口コミによって認知を広げてきています。
プロモーション費用を抑えて、その性能やコストパフォーマンスから評価されているメーカーと言えるでしょう。
3. 保証期間とサポートの簡素化
製品の保証は 1〜3 年程度の短めの設定が多く、長期保証や手厚いサポートを提供するメーカーとは方向性が異なります。
その分、価格が抑えられていると考えると、全体のバランスが理解しやすくなります。
こうした設計思想とコスト配分によって、Thermalright は コスパが良いという評価につながっているでしょう。
用途別のおすすめシリーズ
1. 空冷最安帯 Assassin Xシリーズ
シングルタワー構造で扱いやすいシリーズです。ミドルクラスCPUの冷却に十分対応でき、価格を抑えたい場合の候補になります。
TDP65W等リテールクーラーだと少しだけ物足りないという場合に、安価に冷却力を向上させたい方におすすめです。
LED機能は付いているけど固定発色で変更できないモデルもあるため、光を切りたい場合がある人やケースファンと合わせて変更したい人は注意してください。
2. Thermalright定番モデル Peerless Assassinシリーズ
Thermalright の定番モデルとして知られ、デュアルタワー構造の高い冷却性能が特徴です。
価格の上がりがちなデュアルタワー×6本ヒートパイプ構造にも関わらず、5000円程度で流通しており2023年の登場から長く愛されているモデルになります。
3. 簡易水冷のラインナップも
国内最安レベルのAqua Eliteを出していたりと、空冷だけじゃなく水冷でも影響力を持っています。
ARGBやカスタムLCDパネル搭載のモデルも最安帯で流通していたり、安いだけではなく幅広い価格帯のモデルを提供していたりと簡易水冷でも存在感が増してきていると言えるでしょう。
Tharmalrightってどんな会社?安さの秘密と製品ラインナップまとめ
Thermalright は、効率的な製造体制と広告費を抑えた販売方針により、ミドル価格帯で高い冷却性能を提供するメーカーとして注目を集めています。
性能を重視しつつ予算を抑えたいユーザーには非常に魅力的な選択肢で、空冷クーラーを検討する際には必ず候補に挙がるブランドの一つです。
一方で、保証期間の短さやサポート体制の簡素さなど、価格のために切っている部分もあります。長期保証を重視する場合や、ブランド価値を求める場合は別メーカーも検討してから決めるのが良いです。
総合的には、「同じ予算内でできるだけ冷やしたい」というユーザーにとって、Thermalright は非常に助かる存在と言えるでしょう。
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