DeepCoolのAK400は、低~中回転域では比較的静かに動作する一方、最高回転付近ではファンの音が目立つCPUクーラーです。購入前に静音性が気になるなら、メーカー公称値だけでなく、ファン回転数ごとの第三者実測を確認することが重要です。
この記事は標準モデルのAK400を対象に、メーカー仕様、実測騒音、比較レビューをもとに、静音性を重視する人が購入してよいかを判断します。FREE TIME LAB.による実機騒音測定ではありません。
AK400はうるさい?まず結論
AK400は「うるさいから避けるべき製品」とまではいえません。第三者測定では低~中回転時の騒音は比較的小さく、軽作業中心のPCや、冷却負荷が極端に高くない構成では静音性を期待できます。
ただし、CPUの発熱量が多くファンが高速回転し続ける環境では、AK400でも風切り音が大きくなります。「AK400のファンは静かか」と「自分のCPUを静かに冷やせるか」は分けて考える必要があります。
| 使用状況 | 静音性の見方 |
|---|---|
| 軽作業・アイドル | ファンが低回転なら比較的静かに使いやすい |
| 一般的なゲーム用途 | CPU負荷とケース内温度によって異なる |
| 長時間の高負荷処理 | ファンの高回転が続く場合は音が気になることがある |
| 最高回転付近 | 第三者実測で騒音の増加が確認されている |
AK400の公式騒音値とファン仕様
| 項目 | 標準AK400 |
|---|---|
| ファンサイズ | 120×120×25mm |
| 回転数 | 500~1,850rpm ±10% |
| メーカー公称ファン騒音値 | 最大29dB(A) |
| ファン制御 | 4ピンPWM |
| ベアリング | 流体動圧軸受(FDB) |
| 最大風量 | 66.47CFM |
| ヒートパイプ | 6mm×4本 |
| クーラー高さ | 155mm |
出典:DeepCool公式 AK400製品情報。AK400 DIGITAL、AK400 ZERO DARKなど派生モデルとは仕様が異なる場合があります。
公称最大29dB(A)はメーカーの規定条件で示されたファン騒音値です。実際にPCを使用する位置で常に29dB(A)以下になることを保証する数値ではありません。測定距離や暗騒音、ケースの有無が異なる値を直接比較することもできません。
実測レビューでわかるAK400の静音性
ASCII.jpでは、AK400のファンをヒートシンクに装着し、排気側約20cmの位置で騒音を測定しています。暗騒音は34.5dBAでした。
| ファン回転数 | 実測騒音値 |
|---|---|
| 510rpm | 35.0dBA |
| 1,110rpm | 36.0dBA |
| 1,300rpm | 37.0dBA |
| 1,470rpm | 38.1dBA |
| 1,620rpm | 38.9dBA |
| 1,760rpm | 41.3dBA |
| 1,890rpm | 46.4dBA |
出典:ASCII.jpのAK400騒音測定レビュー。数値は同記事の測定条件に限定されます。
約1,620rpmまでは40dBA未満でしたが、約1,890rpmでは46.4dBAまで増えています。したがって、AK400の静音性は回転数による差が大きいと考えられます。ただし、これはPCケース外での近距離測定であり、使用者の耳元の騒音値ではありません。
別の第三者レビューであるちもろぐのAK400検証でも静音性が測定されています。ただし、測定環境が異なるため、ASCII.jpのdBA値と並べて優劣を判断することはできません。
同価格帯のCPUクーラーと比べて静かなのか
比較するなら、異なるサイトの騒音値を並べるのではなく、同一レビュー内の測定結果を見るのが適切です。ASCII.jpではAK400とサイズ「虎徹 MarkII Rev.B」を同じ環境で比較しています。
| ファン制御率 | AK400 | 虎徹 MarkII Rev.B |
|---|---|---|
| 最低回転 | 35.0dBA | 35.2dBA |
| 50% | 36.0dBA | 36.5dBA |
| 60% | 37.0dBA | 38.0dBA |
| 70% | 38.1dBA | 39.5dBA |
| 80% | 38.9dBA | 42.4dBA |
| 90% | 41.3dBA | 44.7dBA |
| 100% | 46.4dBA | 46.3dBA |
出典:ASCII.jp 同一条件比較。
この結果では、最低回転から90%制御までAK400の騒音値が低く、100%ではほぼ同じです。ただし、同じPWM制御率でもファン回転数や冷却性能は一致しません。「同じ冷却性能でAK400の方が静か」と断定できる比較ではありません。
また、虎徹 MarkII Rev.Bは旧世代製品です。2026年現在の現行同価格帯モデル全体に対する順位を示すものではありません。CPUクーラー選び全般はCPUクーラーの選び方も参照してください。
「AK400がうるさい」と検索して出てくるレビューの注意点
検索で見つかるレビューには、AK400自体がうるさいという評価と、交換前のCPUクーラーがうるさかったためAK400に変更した体験談が混在します。後者の「静かになった」は交換前との相対評価であり、AK400の騒音を単独で測定した結果とは異なります。
今回参照したレビューにも交換体験談と実測レビューの両方がありました。ただし、Google検索上位の大半が交換前の騒音についての記事だとまでは確認できていません。口コミを読む際は「何から交換したのか」「同じCPU・負荷・測定条件なのか」を確認することが大切です。
静音性を重視する人にAK400はおすすめ?
| 購入目的 | 判断 |
|---|---|
| 軽作業中心で静かに使いたい | 有力な候補 |
| 純正CPUクーラーから交換したい | 冷却・騒音改善の候補。ただしCPUと交換前製品による |
| 一般的なゲーム用途 | CPUの発熱量次第で候補 |
| 高発熱CPUで長時間の高負荷 | 冷却余裕の大きい製品も比較 |
| 最大負荷でも極力静かにしたい | 大型空冷クーラーなども比較 |
AK400は120mmファン1基のシングルタワー型です。高発熱CPUを低回転で冷やすことが最優先なら、より冷却能力に余裕のある製品を選んだ方が静かに運用できる可能性があります。ただし、クーラーが大型であるだけで必ず静かになるわけではありません。
購入前には、CPUソケットの対応、CPUの発熱傾向、PCケースのクーラー高さ制限(AK400は155mm)を確認してください。Ryzen 7 9800X3Dでの検討はRyzen 7 9800X3Dは空冷で十分?も参考になります。
AK400の購入を検討している方へ:購入前にDeepCool公式のAK400製品仕様で、対応ソケット・高さ155mm・ファン仕様を最終確認してください。販売店によって価格や取り扱いモデルが異なるため、購入時には標準AK400かどうかも確認しましょう。
まとめ:AK400は静音目的でも購入候補になる
AK400は低~中回転時の静音性に期待できるCPUクーラーですが、最高回転付近では騒音が目立ちます。ASCII.jpの実測では約1,620rpmで38.9dBA、約1,890rpmで46.4dBAでした。
価格を抑えながら静音性も重視するなら購入候補になりますが、すべてのCPU・負荷条件で静かなわけではありません。自分のCPUをどの程度の回転数で冷やせるかを重視して判断しましょう。
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